2010 年 6月 のブログ

 

インプロ思考法その13(メカニックタイプについて)


「即興演奏は思考法が全てだ!!! 」

〜あなたブランドの音を引き出す最強のインプロ思考法!! 〜


このような連載をするきっかけは、ここ数年よくライブの時に、即興演奏はどうやってやればよいのですか? どんな練習してますか?演奏中何を考えてますか?どうやって終わるのですか?などの質問を受ける事が多くなってきていて、何かそれに対して役立つような答えを発言する必要性がでてきたからです。
即興演奏に対して興味をもっている方が増えていると思います。ただ何をどうやってすればよいか分からない、やってはみたがこれでいいのかどうか判断できない、面白みがよく分からない等々の理由で、楽しめない方も多いのではないでしょうか。

即興はどうやってやればいいですか?私はいつもこう答えてました。

「何でもよい」更に付け加えて

「自分らしさがでていれば、何でもよい」

と答えてました。端的に言うとこれだけだと最初から思っていて今日にいたってます。

人々は何故、音楽を必要としているのでしょうか?

「感情を変えるエネルギーがある」からだと思ってます。

楽しい気持ちになりたい、ワクワクしたい、落ち着いた気持ちになりたい、安らぎを感じたい、怒りを発散させたい、自由を感じたい、躍動感を感じたい、希望を感じたい、勇気を感じたいなどなど。

突き詰める所は、音楽によって何らかの感情を変えたいという願望があるから、音楽を必要としているのではないでしょうか。

では感情を変えるにはどうすればよいですか?

その人のその人らしさが、最大限にでている時に、心を動かす何かを感じるのではないでしょうか。技術や経験、実績なども必要かもしれませんが、それは表面にでてくる上澄みであって、その土台となっているその人の良さに何らかを感じているのではないでしょうか。

だから、

「何でもよい」
「自分らしさがでていれば、何でもよい」

と思ってます。そして、その自分らしさをより明確にするのに有効な一つの考え方が、これまで述べてきたタイプ分けではないかと思ってます。

さて本日は8つめのタイプメカニックについて書いていきます。

メカニック

「よりよいシステムを編み出す」

根気があり、何かを作るときには、できるだけ長持ちするように作ります。完璧主義者のため、常に自分のシステムの改善すべき点を探し、さらに洗練させようとします。そのため、効率化に専念することで強よみを発揮する。

メカニックの強み
創造力に富む、完璧主義者、細かいところに気を配る、物事をうまく完成させる、すばやく手直しができる、システムの中の効率の悪い部分を見つけられる
単純化して複製する

メカニックの弱み
打ち解けず、人と距離を置く、コミュニケーションの取り方を誤り、摩擦を起こすことがある
組織立っていて、融通が利かないことが多い、小さなことにばかり目が向いて、全体の変化を見過ごすことがある、完璧にすることにこだわり、変更をすんなり受け入れないことがある

吉田達也さんは、その卓越したメカニカルなドラミングで、世界中で活躍されている方です。現代音楽、プログレ、アバンギャルドの美味しい所をセンスよく組み合わせて、確固たるスタイルを築いております。言い方を変えれば、これまでに存在している音楽である現代音楽、プログレ、アバンギャルドの良い所を抽出し、自らのセンスで改善し、新しい吉田達也システムを構築していると言えるのではないでしょうか。アプローチとしては少ない音で、タイミングを重視したグルーブをつくるというより、壮絶な音数とメカニカルなフレーズで圧倒していくというスタイルで、存在感をだしていると言えると思います。

コンピューターを駆使して、ライブレコーディングをし直ぐにミックスできるような状況を整えていたり、スタジオレコーディングスタイルも各個人がそれぞれスタジオで録音したものをデータでやり取りして、完成させるなど非常に効率的な手法をとっていたりします。システム改善や効率を優先している事が伺われます。メカニカルなアプローチですよね。焦点をあてている所には、極限まで細かくこだわり、それ以外の所は結構ざっくりといった印象も受けております。完璧主義でありがら、けっこう大雑把な面もあるという二面性を持ち合わせているのではないでしょか。
このようなメカニカルなアプローチを好んで追求できる才能がもっとも優れているのが、このメカニックというタイプではないかと思います。即興演奏においては、音数とメカニカルなアプローチを生かして奇数分解的な効果をだしたり、音のアイデアをより具体的かつ、システマティックに構築していく才能を持ち合わせているのではないかと感じてます。イメージ、雰囲気を重視するというよりはどちらかというと数字的なアプローチを好むという印象があります。

さてこれまで8つのそれぞれのタイプの特徴を書いてきましたが、自分のスタイルを構築する何らかの手立てになっていれば幸いです。

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インプロ思考法その13(メカニックタイプについて)


「即興演奏は思考法が全てだ!!! 」

〜あなたブランドの音を引き出す最強のインプロ思考法!! 〜

この連載始めてから色んな方から、メールで感想いただいたり、会った時にコメントもらったりしております。これまでほとんど自分の音楽に対する考えを語らなかったので、これを機会に自分の経験を通じて得たものは出来る限り、アウトプットしていこうかと思ってます。

さて本題に入る前に即興演奏においては経験は関係ないという事について触れていきたいと思います。実は、即興演奏のみならず、全ジャンルにも同じ事が言えると思ってます。演奏経験はあった方が良いと思われている方が多いかもしれません。確かに、演奏経験が多い方が、技術的にも上達し、演奏のバリエーションもあり、様々な場面での対応力もあるとは思います。ただ、経験を積んだ事によって見えなくなっている盲点も確かに存在していると思います。

例えば、自分の10年前、15年前の演奏の音源、動画を聴いたり、見たりした時に、今ではもっとよく出来る面も多々気付くかもしれません。その一方で今ではその頃やっていた事ができなくなっている面、今では絶対にやれなくなっている面に気付く事もあるのではないでしょうか。凄い勢いだったり、知らないが故にやっていた無謀とも言える仕掛けであったり、突拍子もないアイデアであったり、何らかはあると思います。そしてそれが、実に面白い効果を出してたという事もあるのではないでしょうか。それが経験を積んだからこそ、見えなくなった盲点であると思います。経験を積めばそれだけ蓄積された既存の体験を掛け合わせる事で、より多くのバリエーションは作れるでしょう。

その反面として、即興はこんな感じというイメージの枠組みや、バリエーションによるパターンの分析などしていまう事もあります。だとしたら、経験のない人や少ない人が、その盲点をつき、新鮮な刺激を与えて、面白い場面をつくれる可能性も大きいと、これまでの経験からでも実感しております。確かに場数を踏んだ人との演奏はある意味安心できます。経験が少ない人との共演は時には混乱を招きます。これまでの過去の延長線上では理解できないアプローチしてきますからね。その混乱という状態に実は新しい突破口があり、即興の幅を広げるチャンスが秘められているのではないかと考えてます。必ず他の人が見えていない盲点を自分は持っているという思考があれば、自信をもって今やれる事に集中できるのはないでしょうか。

そして、それが思い切った演奏である時に、その盲点が演奏を活性化させる起爆剤となると思ってます。自信なく、存在感のないアプローチでは有機的な音の交わりは期待できません。だから、今できる事に集中して思い切って音をだすというのが重要ではないかと考えてます。経験の少ない人の見えていない盲点は、経験の多い人が広げてくれますし、経験の多い人の見えなくなった盲点を経験の少ない人が、つく事もできます。若い時にしかできない演奏、経験を積んだからこそできる演奏、どちらも価値はあり、優劣も上下もないと考えます。それが即興の醍醐味であると思います。今持っている自分の能力を自信を持って出し切れば良いのだと考えてます。自分の潜在能力を引き上げてくれるのは、自分ではなく他人であるという場合もあると思ってます。なぜなら、必ず人には思考の盲点があるからです。自分の不得意は他のタイプの人のレバレッジになる可能性も非常に大きいと考えます。

さて本日は7つめのタイプとして分析タイプについて書いていきます。

分析タイプ

「客観的に分析する」

ものごとの細部が大好きで、数字に強く、客観的に分析をし整理整頓しようとする。

分析タイプの強み
支配する、用心深い、整理整頓されている、きめ細かい、あらゆる状況を分析するまわりの人たちが気づかないような「差」を見抜くことができる
すべての基盤が整うまで気を抜かない、細かいことまでリストアップできる

分析タイプの弱み
人間関係よりも自分に与えられた任務に比重を置きすぎる、社交の場を苦手とする  
整理しすぎてしまうことがある、複雑なアイデアについては、うまく発表できないことがある、データに没頭することがある、全体像が見えないことがある、重要な集まりに参加しそこねることがある

大谷能生さんはミュージシャンとしての活動のみならず、評論家としても活躍しております。菊池成孔さんとのコンビを組んで、東大教養学部やアテネ・フランセ映画美学校で共に音楽の講義を担当し、その講義録を出版する他、著書、インタビューなど多数あります。自身主催の対談イベント『大谷能生のフランス革命』や音楽、文学に関するレクチャーも精力的に活動をしていて、近年では坂本龍一さんとの対談なども話題になりましたね。演奏も非常に思想的で、様々な考えがあって音を出しているような印象を受けております。演奏終了後のコメントも、私では全く気がつかないような細かな所もよく聴き分け、そしてよく覚えているように思います。分析能力をいかした、演奏スタイルをもっていると感じてます。

分析タイプの演奏者で多いのが、コンピューターを使用した演奏スタイルをしていると感じてます。あらかじめ、音に対する波形的な分析、数値的な視点は、他のタイプと差別化された特徴を持ち合わせていると考えてます。即興演奏の際も、瞬発力、スピード感よりは、一旦音を受けてその人なりの分析をした上で反応するというイメージを強くもっております。なので、コンピューターの方との即興演奏で場面展開のスピード感を求めた際に少し、違和感を感じる方も多いのではないでしょうか。ソロ名義での活動される事が多く、グループで演奏する際も、あまり全面にでてくるというよりは、バックに潜みながら実は、重要なポイントを押さえ、音全体をコントロールしていたりする事も多いのではないでしょうか。

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インプロ思考法その13(メカニックタイプについて)


この連載始めてからアクセスがとても多く、会う人からもいろんな反響をいただいており、嬉しい限りです。そして先日おこなったトークのリクエストもいただいているのでまたバージョンアップした形で企画してみようかと思ってます。

苦手だなと思っている事、または練習不足で技術がともなわないままの演奏している時って、余裕もなく、集中力も散漫でぎこちなく、楽しくもないですよね。得意な事に集中しているとリラックスして、余裕をもっていられ、自然と周りの音も聴こえてきて、演奏するのも楽でいられるという経験ありませんか?肉体的にリラックスしながら精神的に集中しているフローな状態が、一番パフォーマンスの高くだせるというのはよく言われてます。そのような状態でいられるのはやはり、自分のスタイルにあった方向で演奏しているからだと思います。そして、それはちょっと思考を変えるだけで、一瞬にしてその状態をつくる事ができるのではないかと思ってます。

本日は、6つ目のタイプとしてコツコツ蓄積タイプについて書いていきます。

コツコツ蓄積タイプ(アキュムレーター)

「じっくりコツコツ長い時間をかけて自分のスタイルを築き上げる」

ゆっくり時間をかけて何かを蓄積していくのことを望んでいます。またリスクを嫌い、ものごとをシンプルに保つのを好む。得意分野を確立し、内在する能力を見極めることで、「魅力」を生み出します。

コツコツ蓄積タイプの強み

信頼できる、尊敬される、きわめて注意深い、時間通りに職務を遂行する
大げさな約束はめったにしない、チームに現実味をもたらす
うまくいかなくなりそうな部分に目がいく、計画を実行に移すのを得意とする

コツコツ蓄積タイプの弱み

何事も先延ばしにすることが多い、細かいことに気をとられる、共演する前に、人一倍共演者のデータを必要とする、なかなか加速できないことがある、楽観的になるよりは悲観的になるよく、ガラクタ集めで終わることがある、混乱状態になると逃げ出す。

韓国の即興演奏のパイオニアであり孤高のサックスプレイヤーである姜泰煥(カン・テーファン)さんは循環呼吸を駆使した即興演奏スタイルを確立して、どのような状況でもそのスタンスを崩さずに貫いております。常に鍛錬し、練習を怠らず、自分に対して非常に厳しくされていると伺っております。その長年に渡って築き上げたスタイルは、深みがあり、崇高さを感じます。一生かけてもたどり着けない遥か彼方にある高い目標に向かって日夜、厳しい修行を永遠に続けるといった印象を受けてます。
その徹底した姿勢が、聴いている人の心を動かしているのだと感じております。循環呼吸の可能性を極限まで追求し、そこに焦点を絞って、道を極めるのは誰もが出来る事ではないでしょう。卓越した職人とも言えるのではないでしょうか。日本人では山内桂さんもサーモサックスという独自の長い時間をかけて、除々に変化させてる手法を確立しております。このタイプの方は、相手がどのようなタイプであっても確固とした自分のスタイルを貫き通します。どのような組み合わせであっても一貫性を持った演奏をしています。複数人での演奏よりは、ソロ演奏でその魅力が引き立つ事が多いように思えます。複数人で演奏する際は、一貫性を効果的に生かした、アプローチを事前に考えておく事で有機的な交わりができると考えます。短いスパンでの、場面転換やスピード感のある音の流れを作るより、じっくり地に足をつけて長いスパンで音の流れを捉えているのが、このタイプの特徴であると思います。音に対する一貫した姿勢と長年の積み重ねてきた努力による尊敬の念をいだかせる存在です。野球で言えば王貞治さん、イチローさんもこのコツコツ蓄積タイプだと思います。

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インプロ思考法その13(メカニックタイプについて)


沢山のアクセスいつもありがとうございます。8つのタイプの内、4つの特徴を書いていきました。この4つだけでも全く焦点の捉え方が違い、そして、それぞれにあったやり方があるんだという事が伝わっていれば幸いです。タイプには優劣はなく上下関係もありません。自分の特性にあった方向性に集中すれば、どのタイプでもいい音の流れを作れ、他のタイプの方とも有機的な交わりもできると思ってます。

「即興はどうやってやるのですか?」という質問をよく受けます。最終的には「自分らしさがでていれば何でもよい」と長い間、答えてました。それは今でも変わらずそう思ってます。ただ、自分らしく演奏するにはどうすればよいのかという具体的なコメントができておりませんでした。今できる事で好きな事、得意な事で自然とできてしまう事をやればよいのではと言ってましたが、あまり上手く伝わったとは思えませんでした。

そこで自分の強み、弱み、他の人の強み、弱みをより具体的に整理して、実践に役立たてれる有効なツールの一つが、この8つのタイプ分けではないかと考えてます。自分らしく演奏する為のツールの一つであって、タイプを分ける事自体は目的ではありません。twitter、mixi、Ustream、iPhoneなどのツールも自分の目的にあった使い方をカスタマイズできて始めて有機的かつ有効な手段となると思います。ただ単に流行っているからといって、みんなが使っている方法でそのまま使っているだけでは、ツールに使われてしまって、時間も奪われ、自分の方向性も奪われてしまいます。ツールはあくまで目的を叶える為に手段で、ツールに使われてはいけないですよね。この8つのタイプ分けも是非、それぞれの方の有効なツールの一つとして活用していだければ幸いです。活用の仕方は様々で、応用の幅は限りなく広いと確信しております。そして8つのタイプ分けに縛られるのではなく、有効に活用するのがよいと思います。

自分のタイプが特定されたとします。時には違うタイプのアプローチもやってみたくなります。その時は一時的にそのタイプのアプローチ、プロセスを借りて、やってみるのも場合によってはよいのではないでしょうか。これまでの自分のアプローチでやるよりは、いい成果が得られるはずです。そして、期間を限定するとか、範囲を限定してやって、ある程度の成果がでたら、また自分の場所に戻るというのも時にはよいのではないでしょうか。どこに行ってもよいのですが、戻ってくる場所があれば安心ですよね。ルールに縛られるのではなく、自由に活用してもらえればと思ってます。

さて今日はタイミングタイプの特徴について書いていきますね。

タイミングタイプ(トレーダー)

「適切なタイミングで、効果的な音を打ち出し、存在感をあわらす」

五感的で、何かが起きたときにその出来事に反応します。そのため、長期的な展望よりも今この瞬間に焦点をあてる傾向がある。驚異的なタイミングのセンスを活かすことで強みを発揮します。

タイミングタイプの強み
五感的、精神的に安定している、観察眼が鋭い、洞察力がある、地に足がついている、忠誠心を持っている、一度に複数の仕事をこなせる、適正に音の動きがわかる 、核心をつく、他の人なら見落とすことまで見ていることが多い。

タイミングタイプの弱み
データにこだわりすぎることがある、仕事に埋もれてしまう、全体像を見失うことがある、すぐに自信をなくしやすい、ストレスや疑念を内に抱え込む、いったん立場を決めると、なかなか変えられない、未来を犠牲にして今の瞬間を楽しむことがある

私の尊敬するミュージシャンの一人である関島岳郎さんは、チューバ奏者、アレンジ、プロデュースと多方面で活躍されております。ミュージシャンの中でも、多方面での優れた才能と温厚な人柄で、熱い信頼を得ております。交流の幅も広く、フォークソング、沖縄民謡、ロック、アバンギャルド、東欧民族音楽、映画関係などなど縦横無尽に行き来し、楽器もチューバのみならず、トランペット、リコーダー、鍵盤ハーモニカ、エレクトロニクスなどなどその場に応じて、楽器を変えバリエーション豊かな音を作っています。仕事の量は半端なく多く、午前中は作曲、午後はリハーサル、夕方からライブ、ライブ後にまたレコーディングといった事く、常に忙しいミュージシャンですね。フロントマンとしての活動はあまりなく、バンドメンバー、サポート、プロデュースの活動が多にも関わらず、非常に印象深い存在感を打ち出しております。
根底のパートをどっしりと支える演奏スタイルは、低音楽器であるチューバを演奏している以外でも、共通したアプローチではないかと思います。フレーズもシンプルなアプローチが多く、メカニカルなフレーズでテクニカルなラインを作るというよりは、タイミングを重視していると言えるでしょう。本人も単純なベースラインを吹いているのが好きだというのを聞いた事があります。関島さんがメンバーに入ると、全体的に落ち着いたまとまりでます。そして、安定しているので、上にのっかる人を自由にさせてくれます。また絶妙なタイミングで、場面展開をしたり、効果的な音を瞬発的に打ち出すセンスが抜群であると感じております。様々な音楽にも精通していて、鋭い観察力、洞察力でその音楽の美味しい要素を、絶妙なタイミングで組み合わせて、魅力的な世界を作る天才であると感じております。オークションで古い楽器で、掘り出し物の隠れた名器を探して買ったりするのも得意なのも、演奏スタイルと共通する何かがあると思います。まったくジャンルは違いますが、ドラムの沼澤尚さんもこのタイミングタイプのアプローチの天才であると思っております。様々な音楽への鋭い観察力、いろんなジャンルのリズムアプローチの洞察力の深さを生かしてタイミングよく、場面に応じたリズムアプローチを優れたセンスで巧みに変化させ、シンプルなリズムアプローチが多いながらも、躍動的なグルーブを作っていますよね。決してメカニカルなタイプではなく、タイミングを重視したタイプであると言えるのではないでしょうか。全く違うタイプのように見えますが、ベテランドラマーの村上ポンタ秀一さんも様々な音楽に精通していて、他の人なら見落とす細かなリズムアプローチを取り入れ、絶妙なタイミングと優れたバランス感覚を打ち出し、あらゆるジャンルで活躍され、そして高い評価を得ていますよね。印象的には非常に器用な方、オールマイティーに活躍されていて、とても忙しい方、バランス感覚、リズム感が良く、フロントというよりは、バンドメンバー、サポートの活動が多いという方がこのタイプの特徴ではないかと感じてます。

即興演奏においては、提示されたアイデアや素材に対してそのイメージを広げていったり、タイミングよく別のアイデアと組み合わせたりするのが瞬時にできて、場面展開を有機的に作るの能力に長けている方だと感じてます。アイデアが沢山でてくるクリエイタータイプとの組合わさると、アイデアを広げて、その広がった音に新しいアイデアを加えてまた別の音像を作るといった、有機的な流れ(フロー)ができると思います。非常に優れたバランス感覚をもっているのでスターを引き出しながらも、自分の存在感を打ち出す事もできるのではないでしょうか。

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