2010 年6月 04 日 のブログ

 

インプロ思考法その11(コツコツ蓄積タイプについて)


この連載始めてからアクセスがとても多く、会う人からもいろんな反響をいただいており、嬉しい限りです。そして先日おこなったトークのリクエストもいただいているのでまたバージョンアップした形で企画してみようかと思ってます。

苦手だなと思っている事、または練習不足で技術がともなわないままの演奏している時って、余裕もなく、集中力も散漫でぎこちなく、楽しくもないですよね。得意な事に集中しているとリラックスして、余裕をもっていられ、自然と周りの音も聴こえてきて、演奏するのも楽でいられるという経験ありませんか?肉体的にリラックスしながら精神的に集中しているフローな状態が、一番パフォーマンスの高くだせるというのはよく言われてます。そのような状態でいられるのはやはり、自分のスタイルにあった方向で演奏しているからだと思います。そして、それはちょっと思考を変えるだけで、一瞬にしてその状態をつくる事ができるのではないかと思ってます。

本日は、6つ目のタイプとしてコツコツ蓄積タイプについて書いていきます。

コツコツ蓄積タイプ(アキュムレーター)

「じっくりコツコツ長い時間をかけて自分のスタイルを築き上げる」

ゆっくり時間をかけて何かを蓄積していくのことを望んでいます。またリスクを嫌い、ものごとをシンプルに保つのを好む。得意分野を確立し、内在する能力を見極めることで、「魅力」を生み出します。

コツコツ蓄積タイプの強み

信頼できる、尊敬される、きわめて注意深い、時間通りに職務を遂行する
大げさな約束はめったにしない、チームに現実味をもたらす
うまくいかなくなりそうな部分に目がいく、計画を実行に移すのを得意とする

コツコツ蓄積タイプの弱み

何事も先延ばしにすることが多い、細かいことに気をとられる、共演する前に、人一倍共演者のデータを必要とする、なかなか加速できないことがある、楽観的になるよりは悲観的になるよく、ガラクタ集めで終わることがある、混乱状態になると逃げ出す。

韓国の即興演奏のパイオニアであり孤高のサックスプレイヤーである姜泰煥(カン・テーファン)さんは循環呼吸を駆使した即興演奏スタイルを確立して、どのような状況でもそのスタンスを崩さずに貫いております。常に鍛錬し、練習を怠らず、自分に対して非常に厳しくされていると伺っております。その長年に渡って築き上げたスタイルは、深みがあり、崇高さを感じます。一生かけてもたどり着けない遥か彼方にある高い目標に向かって日夜、厳しい修行を永遠に続けるといった印象を受けてます。
その徹底した姿勢が、聴いている人の心を動かしているのだと感じております。循環呼吸の可能性を極限まで追求し、そこに焦点を絞って、道を極めるのは誰もが出来る事ではないでしょう。卓越した職人とも言えるのではないでしょうか。日本人では山内桂さんもサーモサックスという独自の長い時間をかけて、除々に変化させてる手法を確立しております。このタイプの方は、相手がどのようなタイプであっても確固とした自分のスタイルを貫き通します。どのような組み合わせであっても一貫性を持った演奏をしています。複数人での演奏よりは、ソロ演奏でその魅力が引き立つ事が多いように思えます。複数人で演奏する際は、一貫性を効果的に生かした、アプローチを事前に考えておく事で有機的な交わりができると考えます。短いスパンでの、場面転換やスピード感のある音の流れを作るより、じっくり地に足をつけて長いスパンで音の流れを捉えているのが、このタイプの特徴であると思います。音に対する一貫した姿勢と長年の積み重ねてきた努力による尊敬の念をいだかせる存在です。野球で言えば王貞治さん、イチローさんもこのコツコツ蓄積タイプだと思います。

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