2010 年6月 02 日 のブログ

 

インプロ思考法その10(タイミングタイプについて)


沢山のアクセスいつもありがとうございます。8つのタイプの内、4つの特徴を書いていきました。この4つだけでも全く焦点の捉え方が違い、そして、それぞれにあったやり方があるんだという事が伝わっていれば幸いです。タイプには優劣はなく上下関係もありません。自分の特性にあった方向性に集中すれば、どのタイプでもいい音の流れを作れ、他のタイプの方とも有機的な交わりもできると思ってます。

「即興はどうやってやるのですか?」という質問をよく受けます。最終的には「自分らしさがでていれば何でもよい」と長い間、答えてました。それは今でも変わらずそう思ってます。ただ、自分らしく演奏するにはどうすればよいのかという具体的なコメントができておりませんでした。今できる事で好きな事、得意な事で自然とできてしまう事をやればよいのではと言ってましたが、あまり上手く伝わったとは思えませんでした。

そこで自分の強み、弱み、他の人の強み、弱みをより具体的に整理して、実践に役立たてれる有効なツールの一つが、この8つのタイプ分けではないかと考えてます。自分らしく演奏する為のツールの一つであって、タイプを分ける事自体は目的ではありません。twitter、mixi、Ustream、iPhoneなどのツールも自分の目的にあった使い方をカスタマイズできて始めて有機的かつ有効な手段となると思います。ただ単に流行っているからといって、みんなが使っている方法でそのまま使っているだけでは、ツールに使われてしまって、時間も奪われ、自分の方向性も奪われてしまいます。ツールはあくまで目的を叶える為に手段で、ツールに使われてはいけないですよね。この8つのタイプ分けも是非、それぞれの方の有効なツールの一つとして活用していだければ幸いです。活用の仕方は様々で、応用の幅は限りなく広いと確信しております。そして8つのタイプ分けに縛られるのではなく、有効に活用するのがよいと思います。

自分のタイプが特定されたとします。時には違うタイプのアプローチもやってみたくなります。その時は一時的にそのタイプのアプローチ、プロセスを借りて、やってみるのも場合によってはよいのではないでしょうか。これまでの自分のアプローチでやるよりは、いい成果が得られるはずです。そして、期間を限定するとか、範囲を限定してやって、ある程度の成果がでたら、また自分の場所に戻るというのも時にはよいのではないでしょうか。どこに行ってもよいのですが、戻ってくる場所があれば安心ですよね。ルールに縛られるのではなく、自由に活用してもらえればと思ってます。

さて今日はタイミングタイプの特徴について書いていきますね。

タイミングタイプ(トレーダー)

「適切なタイミングで、効果的な音を打ち出し、存在感をあわらす」

五感的で、何かが起きたときにその出来事に反応します。そのため、長期的な展望よりも今この瞬間に焦点をあてる傾向がある。驚異的なタイミングのセンスを活かすことで強みを発揮します。

タイミングタイプの強み
五感的、精神的に安定している、観察眼が鋭い、洞察力がある、地に足がついている、忠誠心を持っている、一度に複数の仕事をこなせる、適正に音の動きがわかる 、核心をつく、他の人なら見落とすことまで見ていることが多い。

タイミングタイプの弱み
データにこだわりすぎることがある、仕事に埋もれてしまう、全体像を見失うことがある、すぐに自信をなくしやすい、ストレスや疑念を内に抱え込む、いったん立場を決めると、なかなか変えられない、未来を犠牲にして今の瞬間を楽しむことがある

私の尊敬するミュージシャンの一人である関島岳郎さんは、チューバ奏者、アレンジ、プロデュースと多方面で活躍されております。ミュージシャンの中でも、多方面での優れた才能と温厚な人柄で、熱い信頼を得ております。交流の幅も広く、フォークソング、沖縄民謡、ロック、アバンギャルド、東欧民族音楽、映画関係などなど縦横無尽に行き来し、楽器もチューバのみならず、トランペット、リコーダー、鍵盤ハーモニカ、エレクトロニクスなどなどその場に応じて、楽器を変えバリエーション豊かな音を作っています。仕事の量は半端なく多く、午前中は作曲、午後はリハーサル、夕方からライブ、ライブ後にまたレコーディングといった事く、常に忙しいミュージシャンですね。フロントマンとしての活動はあまりなく、バンドメンバー、サポート、プロデュースの活動が多にも関わらず、非常に印象深い存在感を打ち出しております。
根底のパートをどっしりと支える演奏スタイルは、低音楽器であるチューバを演奏している以外でも、共通したアプローチではないかと思います。フレーズもシンプルなアプローチが多く、メカニカルなフレーズでテクニカルなラインを作るというよりは、タイミングを重視していると言えるでしょう。本人も単純なベースラインを吹いているのが好きだというのを聞いた事があります。関島さんがメンバーに入ると、全体的に落ち着いたまとまりでます。そして、安定しているので、上にのっかる人を自由にさせてくれます。また絶妙なタイミングで、場面展開をしたり、効果的な音を瞬発的に打ち出すセンスが抜群であると感じております。様々な音楽にも精通していて、鋭い観察力、洞察力でその音楽の美味しい要素を、絶妙なタイミングで組み合わせて、魅力的な世界を作る天才であると感じております。オークションで古い楽器で、掘り出し物の隠れた名器を探して買ったりするのも得意なのも、演奏スタイルと共通する何かがあると思います。まったくジャンルは違いますが、ドラムの沼澤尚さんもこのタイミングタイプのアプローチの天才であると思っております。様々な音楽への鋭い観察力、いろんなジャンルのリズムアプローチの洞察力の深さを生かしてタイミングよく、場面に応じたリズムアプローチを優れたセンスで巧みに変化させ、シンプルなリズムアプローチが多いながらも、躍動的なグルーブを作っていますよね。決してメカニカルなタイプではなく、タイミングを重視したタイプであると言えるのではないでしょうか。全く違うタイプのように見えますが、ベテランドラマーの村上ポンタ秀一さんも様々な音楽に精通していて、他の人なら見落とす細かなリズムアプローチを取り入れ、絶妙なタイミングと優れたバランス感覚を打ち出し、あらゆるジャンルで活躍され、そして高い評価を得ていますよね。印象的には非常に器用な方、オールマイティーに活躍されていて、とても忙しい方、バランス感覚、リズム感が良く、フロントというよりは、バンドメンバー、サポートの活動が多いという方がこのタイプの特徴ではないかと感じてます。

即興演奏においては、提示されたアイデアや素材に対してそのイメージを広げていったり、タイミングよく別のアイデアと組み合わせたりするのが瞬時にできて、場面展開を有機的に作るの能力に長けている方だと感じてます。アイデアが沢山でてくるクリエイタータイプとの組合わさると、アイデアを広げて、その広がった音に新しいアイデアを加えてまた別の音像を作るといった、有機的な流れ(フロー)ができると思います。非常に優れたバランス感覚をもっているのでスターを引き出しながらも、自分の存在感を打ち出す事もできるのではないでしょうか。

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