インプロ思考法 その14 自分ブランドの音とは


 自分ブランドの音ってなんでしょうか?絶対的にいい音、絶対的にいい音楽、誰もが好きにある音というのは存在しないのではないでしょうか。人それぞれに価値観の階層があり、どんな音に対して共感し、好意をもって受け入れるかは、千差万別で同じ人であっても音を聴く、空間環境、心理的な状態、時間などでも大きく変わってくるのだと思います。

では、ミュージシャンはどうすれば良いのか。私は、自分の中でその瞬間にもっともリアリティーのある音を出すというのが、大事であり、私が即興演奏している時に一番大事にしているところでもあります。世の中にない斬新な音をだそうとか、これまで誰もだした事のない音をだそうとか、驚かせようとか力んでも、あまり軸のない音になるのではないでしょうか。

 それよりも自分にとって刺激的な音、自分にとっての新しい音、自分にとって今本当に好きだと感じられる音、それらが最も説得力があり、最もエネルギーレベルの高い影響力をある音であると思っております。そうする事によって最終的にはその人の個性やその人ブランドの音に繋がると信じております。

具体的な質問です。

誰の音が好きなのか?誰と一緒に音をだしているのが好きなのか?(Who)

好きと思う音で何を感じているのか?(What)

どんな時にもっとも自分らしく演奏できるのか?(When)

どんな場所で演奏する好きなのか?(Where)

何故その音が好きなのか?(Why)

どうすれば、リラックスして音に触れられるのか(How)

いかがでしょうか?

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インプロ思考法 その14 自分ブランドの音とは


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インプロ思考法 その14 自分ブランドの音とは


「即興演奏は思考法が全てだ!!! 」

〜あなたブランドの音を引き出す最強のインプロ思考法!! 〜


このような連載をするきっかけは、ここ数年よくライブの時に、即興演奏はどうやってやればよいのですか? どんな練習してますか?演奏中何を考えてますか?どうやって終わるのですか?などの質問を受ける事が多くなってきていて、何かそれに対して役立つような答えを発言する必要性がでてきたからです。
即興演奏に対して興味をもっている方が増えていると思います。ただ何をどうやってすればよいか分からない、やってはみたがこれでいいのかどうか判断できない、面白みがよく分からない等々の理由で、楽しめない方も多いのではないでしょうか。

即興はどうやってやればいいですか?私はいつもこう答えてました。

「何でもよい」更に付け加えて

「自分らしさがでていれば、何でもよい」

と答えてました。端的に言うとこれだけだと最初から思っていて今日にいたってます。

人々は何故、音楽を必要としているのでしょうか?

「感情を変えるエネルギーがある」からだと思ってます。

楽しい気持ちになりたい、ワクワクしたい、落ち着いた気持ちになりたい、安らぎを感じたい、怒りを発散させたい、自由を感じたい、躍動感を感じたい、希望を感じたい、勇気を感じたいなどなど。

突き詰める所は、音楽によって何らかの感情を変えたいという願望があるから、音楽を必要としているのではないでしょうか。

では感情を変えるにはどうすればよいですか?

その人のその人らしさが、最大限にでている時に、心を動かす何かを感じるのではないでしょうか。技術や経験、実績なども必要かもしれませんが、それは表面にでてくる上澄みであって、その土台となっているその人の良さに何らかを感じているのではないでしょうか。

だから、

「何でもよい」
「自分らしさがでていれば、何でもよい」

と思ってます。そして、その自分らしさをより明確にするのに有効な一つの考え方が、これまで述べてきたタイプ分けではないかと思ってます。

さて本日は8つめのタイプメカニックについて書いていきます。

メカニック

「よりよいシステムを編み出す」

根気があり、何かを作るときには、できるだけ長持ちするように作ります。完璧主義者のため、常に自分のシステムの改善すべき点を探し、さらに洗練させようとします。そのため、効率化に専念することで強よみを発揮する。

メカニックの強み
創造力に富む、完璧主義者、細かいところに気を配る、物事をうまく完成させる、すばやく手直しができる、システムの中の効率の悪い部分を見つけられる
単純化して複製する

メカニックの弱み
打ち解けず、人と距離を置く、コミュニケーションの取り方を誤り、摩擦を起こすことがある
組織立っていて、融通が利かないことが多い、小さなことにばかり目が向いて、全体の変化を見過ごすことがある、完璧にすることにこだわり、変更をすんなり受け入れないことがある

吉田達也さんは、その卓越したメカニカルなドラミングで、世界中で活躍されている方です。現代音楽、プログレ、アバンギャルドの美味しい所をセンスよく組み合わせて、確固たるスタイルを築いております。言い方を変えれば、これまでに存在している音楽である現代音楽、プログレ、アバンギャルドの良い所を抽出し、自らのセンスで改善し、新しい吉田達也システムを構築していると言えるのではないでしょうか。アプローチとしては少ない音で、タイミングを重視したグルーブをつくるというより、壮絶な音数とメカニカルなフレーズで圧倒していくというスタイルで、存在感をだしていると言えると思います。

コンピューターを駆使して、ライブレコーディングをし直ぐにミックスできるような状況を整えていたり、スタジオレコーディングスタイルも各個人がそれぞれスタジオで録音したものをデータでやり取りして、完成させるなど非常に効率的な手法をとっていたりします。システム改善や効率を優先している事が伺われます。メカニカルなアプローチですよね。焦点をあてている所には、極限まで細かくこだわり、それ以外の所は結構ざっくりといった印象も受けております。完璧主義でありがら、けっこう大雑把な面もあるという二面性を持ち合わせているのではないでしょか。
このようなメカニカルなアプローチを好んで追求できる才能がもっとも優れているのが、このメカニックというタイプではないかと思います。即興演奏においては、音数とメカニカルなアプローチを生かして奇数分解的な効果をだしたり、音のアイデアをより具体的かつ、システマティックに構築していく才能を持ち合わせているのではないかと感じてます。イメージ、雰囲気を重視するというよりはどちらかというと数字的なアプローチを好むという印象があります。

さてこれまで8つのそれぞれのタイプの特徴を書いてきましたが、自分のスタイルを構築する何らかの手立てになっていれば幸いです。

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インプロ思考法 その14 自分ブランドの音とは


「即興演奏は思考法が全てだ!!! 」

〜あなたブランドの音を引き出す最強のインプロ思考法!! 〜

この連載始めてから色んな方から、メールで感想いただいたり、会った時にコメントもらったりしております。これまでほとんど自分の音楽に対する考えを語らなかったので、これを機会に自分の経験を通じて得たものは出来る限り、アウトプットしていこうかと思ってます。

さて本題に入る前に即興演奏においては経験は関係ないという事について触れていきたいと思います。実は、即興演奏のみならず、全ジャンルにも同じ事が言えると思ってます。演奏経験はあった方が良いと思われている方が多いかもしれません。確かに、演奏経験が多い方が、技術的にも上達し、演奏のバリエーションもあり、様々な場面での対応力もあるとは思います。ただ、経験を積んだ事によって見えなくなっている盲点も確かに存在していると思います。

例えば、自分の10年前、15年前の演奏の音源、動画を聴いたり、見たりした時に、今ではもっとよく出来る面も多々気付くかもしれません。その一方で今ではその頃やっていた事ができなくなっている面、今では絶対にやれなくなっている面に気付く事もあるのではないでしょうか。凄い勢いだったり、知らないが故にやっていた無謀とも言える仕掛けであったり、突拍子もないアイデアであったり、何らかはあると思います。そしてそれが、実に面白い効果を出してたという事もあるのではないでしょうか。それが経験を積んだからこそ、見えなくなった盲点であると思います。経験を積めばそれだけ蓄積された既存の体験を掛け合わせる事で、より多くのバリエーションは作れるでしょう。

その反面として、即興はこんな感じというイメージの枠組みや、バリエーションによるパターンの分析などしていまう事もあります。だとしたら、経験のない人や少ない人が、その盲点をつき、新鮮な刺激を与えて、面白い場面をつくれる可能性も大きいと、これまでの経験からでも実感しております。確かに場数を踏んだ人との演奏はある意味安心できます。経験が少ない人との共演は時には混乱を招きます。これまでの過去の延長線上では理解できないアプローチしてきますからね。その混乱という状態に実は新しい突破口があり、即興の幅を広げるチャンスが秘められているのではないかと考えてます。必ず他の人が見えていない盲点を自分は持っているという思考があれば、自信をもって今やれる事に集中できるのはないでしょうか。

そして、それが思い切った演奏である時に、その盲点が演奏を活性化させる起爆剤となると思ってます。自信なく、存在感のないアプローチでは有機的な音の交わりは期待できません。だから、今できる事に集中して思い切って音をだすというのが重要ではないかと考えてます。経験の少ない人の見えていない盲点は、経験の多い人が広げてくれますし、経験の多い人の見えなくなった盲点を経験の少ない人が、つく事もできます。若い時にしかできない演奏、経験を積んだからこそできる演奏、どちらも価値はあり、優劣も上下もないと考えます。それが即興の醍醐味であると思います。今持っている自分の能力を自信を持って出し切れば良いのだと考えてます。自分の潜在能力を引き上げてくれるのは、自分ではなく他人であるという場合もあると思ってます。なぜなら、必ず人には思考の盲点があるからです。自分の不得意は他のタイプの人のレバレッジになる可能性も非常に大きいと考えます。

さて本日は7つめのタイプとして分析タイプについて書いていきます。

分析タイプ

「客観的に分析する」

ものごとの細部が大好きで、数字に強く、客観的に分析をし整理整頓しようとする。

分析タイプの強み
支配する、用心深い、整理整頓されている、きめ細かい、あらゆる状況を分析するまわりの人たちが気づかないような「差」を見抜くことができる
すべての基盤が整うまで気を抜かない、細かいことまでリストアップできる

分析タイプの弱み
人間関係よりも自分に与えられた任務に比重を置きすぎる、社交の場を苦手とする  
整理しすぎてしまうことがある、複雑なアイデアについては、うまく発表できないことがある、データに没頭することがある、全体像が見えないことがある、重要な集まりに参加しそこねることがある

大谷能生さんはミュージシャンとしての活動のみならず、評論家としても活躍しております。菊池成孔さんとのコンビを組んで、東大教養学部やアテネ・フランセ映画美学校で共に音楽の講義を担当し、その講義録を出版する他、著書、インタビューなど多数あります。自身主催の対談イベント『大谷能生のフランス革命』や音楽、文学に関するレクチャーも精力的に活動をしていて、近年では坂本龍一さんとの対談なども話題になりましたね。演奏も非常に思想的で、様々な考えがあって音を出しているような印象を受けております。演奏終了後のコメントも、私では全く気がつかないような細かな所もよく聴き分け、そしてよく覚えているように思います。分析能力をいかした、演奏スタイルをもっていると感じてます。

分析タイプの演奏者で多いのが、コンピューターを使用した演奏スタイルをしていると感じてます。あらかじめ、音に対する波形的な分析、数値的な視点は、他のタイプと差別化された特徴を持ち合わせていると考えてます。即興演奏の際も、瞬発力、スピード感よりは、一旦音を受けてその人なりの分析をした上で反応するというイメージを強くもっております。なので、コンピューターの方との即興演奏で場面展開のスピード感を求めた際に少し、違和感を感じる方も多いのではないでしょうか。ソロ名義での活動される事が多く、グループで演奏する際も、あまり全面にでてくるというよりは、バックに潜みながら実は、重要なポイントを押さえ、音全体をコントロールしていたりする事も多いのではないでしょうか。

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